<タイガース1-4ツインズ>◇23日(日本時間24日)◇コメリカパーク

678日ぶりの復活白星だ! ツインズ前田健太投手(35)が23日(日本時間24日)、敵地タイガース戦で4月26日以来、58日ぶりのメジャー復帰登板で5回を3安打無失点8奪三振と好投。21年8月14日レイズ戦以来の勝利を飾った。右肘のトミー・ジョン手術から昨季は全休し、長いリハビリを乗り越え、メジャー通算60勝目を手にした。

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野球人生の岐路に等しい大手術を経ても、前田は常に「マエケン」のままだった。

昨年8月、米フロリダ州でU18のW杯が開催された際、同州内でリハビリに専念していた前田は、高校日本代表の激励に訪れた。順調に回復していたとはいえ、自らはようやく打者相手に投げ始めた段階。技術的に参考になるレベルではない。だが、異国で真剣勝負に挑む若者たちのプレーを、目を凝らすかのように追っていた。「高校野球を見ると、ひたむきな姿とか、初心に戻れたり、熱い戦いをしたいなとか、そういう気持ちも湧いてくる。すごく刺激をもらえます」。

復活勝利となったこの日、「交代機」に続投を訴えた。プロ球界では異例の光景だった。だが、苦境の中で再認識した「ひたむきさ」、「初心」、そして「熱さ」は伝わった。名門PL学園で育まれた前田の生き方は、おそらく、これからも変わらない。【MLB担当 四竈衛】