エンゼルス大谷翔平投手(29)は今後どうなる-。レッズ戦のダブルヘッダー第1試合に「2番投手兼DH」で出場し、今季最短の1回1/3、わずか26球で交代。試合後の検査で、右肘の靱帯(じんたい)損傷が発覚した。

今季の投手断念が決定。セカンドオピニオンなど踏まえた上で判断することとなるが、18年に続き再手術となれば、二刀流での復帰は25年までずれ込む可能性もある。

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試合後のクラブハウスに、大谷の姿はなかった。登板時には必ず応じていた質疑応答も、この日はなかった。手術につながった5年前とほぼ同じ状況。右肘の靱帯(じんたい)損傷とわかったうえで第2試合もDHでフル出場したが、投手としては今季の登板断念が決まり、ミナシアンGMは「彼を思うとすごくつらい。我々にとっても、つらい日だ」とおもんぱかった。

具体的な方向性については未定だが、大谷の二刀流は今後、どうなるのか。18年は6月上旬に損傷が発覚後、PRP(多血小板血漿=けっしょう)注射で患部の回復を待った。9月初旬に投手復帰したが、新たな損傷が見つかり、そこからは打者に専念してシーズン終了後に手術を受けた。仮に同様の症状なら、再手術は不可避。12~16カ月のリハビリを要することになる。

前回の打者復帰は翌年5月。今回もしすぐに手術を受ければ、打者としては来季開幕に間に合う可能性もある。だが一方で、この日も44号本塁打を放ち、日本人初のタイトル獲得を狙える位置にいる。残り試合を全休となれば、本塁打王が幻になることも考えられる。

また決断には、今季終了後にFAとなることも大きく影響を与える。リハビリ前提で他球団が受け入れるのか、そもそも他球団が二刀流でプレー可能と判断するのか。はたまた再びエ軍で二刀流復活ロードを歩むのか。ミナシアンGMは「高いレベルで、彼ならまた投打の両方ができると信じている」。いずれにしても、大きな決断が待ち受けている。【斎藤庸裕】

◆トミー・ジョン手術を複数回受けた主な投手 サイ・ヤング賞2度のデグロム(レンジャーズ)は10年に1度目、今年6月に2度目の手術を受けた。マシソン(元巨人)は、WBCに出場した06年と08年に経験。今季11勝のイオバルディ(レンジャーズ)は高校時代の07年と16年。通算300セーブのイズリングハウゼン(元カージナルス)、通算58勝のジョシュ・ジョンソン(マーリンズ)は3度受けている。

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