【グレンデール(米アリゾナ州)13日(日本時間14日)=四竈衛】次は、韓国での「大谷フィーバー」へ-。ドジャース大谷翔平投手(29)が、新天地への移籍1年目のキャンプを打ち上げた。オープン戦最終戦となったマリナーズ戦は3打数無安打2三振に終わったものの、通算打率5割で終了。ほぼ万全に仕上がった状態で、公式戦初開催で熱狂ムードの韓国・ソウルへ乗り込み、パドレスと雌雄を決す。

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わずか1カ月前には新鮮に映ったドジャーブルーの背番号「17」が、青空の広がるアリゾナの景色に、いつか、なじんでいた。スタンドに詰めかけた本拠地ファンの、別れを惜しむような大声援を背に、同地での全行程をやり遂げた大谷は、軽やかな足取りでグラウンドを後にした。

キャンプ地最終戦のオープン戦。初回の第1打席は、フルカウントから内角高めの速球を強振した。悲鳴にも近い大歓声の中、打球は右中間フェンス際へ舞い上がったものの、突風にも押し戻され、右翼ハニガーのグラブに収まった。第2、第3打席は、いずれも見逃し三振。快音は残せず、球場内にはため息が充満した。それでも、交代後は、先発した山本と肩を並べ、笑顔でクラブハウスへ向かった。

絶えることのない、穏やかな表情が、充実感を物語っていた。今オープン戦は、序盤こそ慎重に機会を見計らったものの、計8試合に出場し、打率5割、2本塁打、9打点。昨年9月の右肘手術明けを感じさせない快調な仕上がりで打ち上げた。オフ以来、徹底した下半身強化の成果と専門家の指導を受け、ランニングフォームを陸上競技のスプリンターのように修正。昨季まで以上に、盗塁数アップへの期待値も高く、野手としてメジャー最高レベルを取り戻した。

14日(同15日)には、開幕シリーズが行われる韓国・ソウルへ向けて出発。同地で練習試合2試合を行い、20日の開幕戦パドレス戦へ臨む。在米の韓国メディアによると「韓国での大谷人気は、金河成(キム・ハソン=パドレス)よりも上」と見られており、空前の「大谷フィーバー」が起こる可能性はかなり高い。発売直後に完売となったチケットが「超プラチナペーパー」になるなど、スポーツの枠を超えた特別イベントにも近いという。大谷にとっては、ド軍デビュー戦。日米韓だけでなく、世界中の野球ファンが注目する熱狂的なシリーズとなりそうだ。

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