【ソウル(韓国)16日=斎藤直樹】パドレスのダルビッシュ有投手(37)が、ドジャースとの開幕戦(20日)を前にリラックスした表情を浮かべた。20日のドジャースとの開幕戦で先発登板する高尺スカイドームでチーム練習に参加。キャッチボールでは切れのある変化球を交え、仕上がりの良さをうかがわせた。練習中には解説で訪れた元オリックス、ソフトバンクの李大浩氏と笑顔で会話するなど、ベテランらしく硬軟を自在に使い分けた。

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MLB初の韓国開催は、公式練習も一風変わっている。練習中の三塁側ベンチにはチキンが用意され、ファウルゾーンにはテレビ中継ブースが設けられた。ダルビッシュは、これらに目もくれず、ウオーミングアップを終えると、スタッフを相手にキャッチボールを始めた。

マウンドに近い距離を取って、22球目から変化球を交えだした。カーブを4球、スライダー2球、直球を挟んでフォークを4球。最後は直球で締めて33球。水分補給を挟んで、おかわりで14球。切れ味抜群のカーブは、明日にでも開幕できそう。投内連係を終えると、三塁側ファウルゾーンで解説で訪れていた李大浩氏と笑顔で会話を交わした。リラックスした表情には、メジャー13年目の自信がうかがえた。

韓国を楽しんでいる。15日未明に空港に到着したが、昼には大のダルビッシュファンという韓国人が経営するカフェを訪問。アイスカフェラテを堪能した。韓国料理の参鶏湯(サムゲタン)も食べるなど、13時間のフライトを余儀なくされる遠征も何のその。チームメートで韓国出身の金河成が「カフェに行ったのは新聞で見た。彼が多くの選手から尊敬されていることを表している」と旺盛な好奇心と行動力に感服していた。

開幕戦では古巣ドジャースとがっぷり四つに組む。大谷からは幼少期からの憧れとして名前を挙げられ、ド軍ロバーツ監督には「グレート投手だ。能力を見ていると一貫性を持っている。投球をストライクゾーンに投げ込む能力を持ち、フォークを使いこなせる。良い選手でもミスする時はある。それを捕まえたい」と警戒された。それでも、全幅の信頼で開幕投手に選んだパ軍のシルト監督は会見で、ダルビッシュの調整度合いに「ベリーグッド」を繰り返した。

開幕投手は日本人最多タイの4度目だが、白星がない。残り4日。日本人メジャー最年長となる開幕勝利で、チームに手本を示す。