【ソウル(韓国)16日=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(29)が、20日の開幕戦でようやく実現する憧れの先輩との対決に胸を躍らせた。高尺(コチョク)スカイドームで公式の全体練習に参加。ほぼ室内での調整で、フィールドではウオーミングアップと走塁練習を行った。記者会見ではパドレスの開幕投手を務めるダルビッシュ有投手(37)との初対戦に向けて意欲を示し、妻の真美子さん(27)への思いを語った。

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いろんな楽しみがある。大谷は憧れの投手ダルビッシュとの対決へ目を輝かせた。「すごい小さい頃から見ていた大好きな投手ですし、目標にしてきた方なので」。日本ハムではダルビッシュがつけていた背番号11を継承し、二刀流の礎を築いた。メジャー挑戦から7年目。「本当に個人的に楽しみですし、これまで対戦がなかったので、それも含めて思い入れがある」と率直な気持ちを表現した。

ナ・リーグにDH制が採用されていなかった21年9月のパドレス-エンゼルス戦は、ダルビッシュが先発したが、大谷は代打の機会なく欠場。昨年7月上旬は体調不良でダルビッシュの登板が変更となり、初対決は実現しなかった。過去6年間、不思議と交わることがなかったが、WBCではともに世界一奪回に貢献。「WBCでも一緒にやらせてもらったりとか、練習もやらせてもらったりとか、本当によくしてもらっている」。過去には合同自主トレに参加したこともあり、感謝の思いを胸に臨む。

初対決、新天地、韓国で初の開幕戦。大谷にとって初物はまだあった。韓国メディアから妻の真美子さんについて問われ、苦笑い。「初めて一緒に来て、公式戦自体も一緒に来て見るのは初めてだと思うので、そういう意味ではいい思い出になると思う」。憧れの先輩から本塁打なら、夫人に特別な1発をプレゼントできる。結婚後、初アーチの記念にもなる。とはいえ、ド軍の一員として勝利を届けるのが最優先で「まずは自分のやることに集中したい」と気を引き締めた。

前日は仁川国際空港に到着した際、韓国の現地ファンから大歓迎を受けた。「韓国でプレーできるのは楽しみですし、空港でああやって迎えていただけるのはありがたい」と喜んだ。10年7億ドル(当時約1015億円)で契約し、過去最高の注目度で迎える開幕戦。「特殊な開幕なので。韓国でやるというのもそうですし、新しいチームでスタートするというのも初めてなので、楽しみの度合いというのはまた違う」。特別な気持ちとともに、笑顔満載のスタートを切る。