【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)21日(日本時間22日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(29)が、新たな日本人の歴史を刻んだ。メッツ戦に「2番DH」で出場し、3回の第2打席で今季5号の先制2ランを放った。メジャー通算176号で、松井秀喜氏を抜いて日本人メジャーリーガーの最多記録を更新した。3打数2安打2打点でチームの連敗は3でストップ。究極の打者を追い求めながら、ポストシーズン、その先の頂点を目指す。

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3連敗中の鬱憤(うっぷん)が大谷の記念弾で晴れると、ド軍の重量打線は完全に息を吹き返した。5回、下位打線が作った好機に、1番ベッツが適時打、大谷が強烈な投手強襲安打で続き、さらに3番フリーマンが2点適時打。看板の「ムータニマン」3人がそろい踏みで打点を挙げ、試合の主導権を握った。

開幕2戦目の3月21日以来となる2ケタ得点の快勝劇に、試合後のロバーツ監督はご満悦だった。投げては、先発右腕グラスノーが8回まで無失点の快投。「初めて完璧な野球ができたと言っていい。試合を通して、打線はとてもすばらしかった」。前日までは、大谷のみならず、得点圏での低打率が指摘されたこともあって、歯切れの悪いコメントが並んでいたのがウソのようだった。

この日は、5回に打者11人の集中打で一挙8点。終盤は「ムータニマン」の3人を途中交代できるほど、余裕たっぷりの展開で本拠地9試合の最終戦を締めくくった。「特に下位打線がすばらしい役割を果たして、上位打線につなげて得点できた。とてもクリーンな野球だった」。大谷の一撃で流れを手繰り寄せた理想的な展開に、会見の最後まで同監督の笑みは絶えなかった。

負ければ貯金を使い果たす土俵際の一戦で踏ん張り、23日(同24日)からはワシントン、トロント、アリゾナと過酷な長距離移動が続くロード9連戦。相乗効果を生み出す「MVPトリオ」の上昇気配に、ロバーツ監督の声も弾んだ。「過去2日間でフレディ(フリーマン)は生き返ったし、ショウヘイも今回の本拠地の試合ではファンタスティックだった」。大谷だけに依存しないのがド軍の強み。試合中だけでなく、互いに相手投手の情報交換などを欠かさない3人が、今季終盤、タイトル争いを繰り広げても何ら不思議はない。(ロサンゼルス=四竈衛)

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