ヤンキースのアーロン・ブーン監督(51)が、観客のヤジによって試合開始からわずか2分で思わぬ退場処分となった。通算35度目で、同監督が就任した18年以降では最多となっている。

初回、アスレチックスの先頭ルイーズの足にボールが当たり死球となったが、ルイーズがスイングしたとして同監督がベンチから抗議。しかし一塁審判の判定はチェックスイングで変わらず、次打者のネビンに打席が回った。そして1球目が投じられた後、ハンター・ウェンデルステット球審はベンチに向かって注意。同監督に対し「これ以上何か言えば退場だ!」と発言。それに対しブーン監督は左手で応じ、無言で試合に目を向けていたが、次の瞬間にいきなり退場を宣告された。

中継のカメラだと、球審が同監督に注意した後にベンチの上に座っていたファンがヤジを飛ばし、直後に球審が同監督を退場とした。何も発言していなかったブーン監督は両手を挙げて猛抗議し、オースマス・ベンチコーチとともにベンチの上を指さして自分ではないとアピール。球審に向かって直接アピールしに行った。

中継では球審とブーン監督のやりとりがそのまま放送され、球審は「誰が言ったか関係ない。退場だ!」と発言。同監督は「関係ないってどういう意味だよ。ひと言も言ってない。ダグアウトの上からだった。自分は何も言ってない。ハンター、何も言ってないんだ」と、Fワードを使いながら否定し、その後音声がオフになった。

ウェンデルステット球審は試合後、選手の誰かがヤジを飛ばしたと思ったと明かし「アーロン・ブーンはヤンキースの監督だから、ダグアウトで起きたことの責任を取るべき。選手を退場にはさせたくなかった。彼らは試合に出なければならない。ファンはそれを見るためにお金を払っている。だからダグアウトまで行って誰が言ったか探ろうとする代わりに、彼を退場にした」と説明した。