【サンデイェゴ(米カリフォルニア)2日(日本時間3日)=四竈衛】ホワイトソックスが「スモール・ベースボール」でパドレスに快勝し、今季最長の5連勝を飾った。「2番一塁」で出場した村上宗隆内野手(26)は4打数無安打と不発だったものの、つなぎの野球と好継投で会心の白星を手にした。

低迷脱出への方向性を示すような一戦だった。両軍無得点で迎えた6回、四球とバント安打で好機を広げ、3番バルガスの詰まった安打で2点を先制した。7回には3連打後、1死一、三塁から9番ピーターズのセーフティースクイズで追加点を挙げるなど、しぶとい攻撃で主導権を握った。

試合後のベナブル監督は、満足そうな表情で試合を振り返った。「だれしも1発を好むが、いつでも打てるわけではない。今日はその最たる例。粘ったり、バントしたり、詰まった当たりだったり。すばらしい仕事をしてくれた」。

昨季まで3年連続で年間100敗を喫したホ軍にとって、村上の加入が大きな分岐点となったことは間違いない。球団の経営戦略上、昨オフのFA市場で高額の大砲を獲得することは、本来困難だった。だが、村上との2年契約に成功。開幕後、1カ月あまりで早くも本塁打数でメジャートップを走る村上が中軸に座ることで、他の若い選手にそれぞれの役割分担とつなぐ意識が芽生えた。この日は、31歳のベテラン、1番ベニテンディまでもがバント安打で出塁した。

43歳の青年監督が目指す野球は、現時点では明確には見えてこない。ただ、父マックス・ベナブルがロッテでプレーした92年から2年間、少年期に日本で生活した経験もあり、異国文化への理解度は高く、自らも現役時代は脇役としてプレーした。名門プリンストン大出身の秀才監督が、チーム再建への道筋を、「大砲村上」と「スモール・ベースボール」の融合に見いだしている可能性は高い。

「だれがプレーしているかではない。我々が大事だと信じていることをやり遂げていくだけ。毎日、エネルギーを持ち続けていけば、いい結果は付いてくる。自分たちとその能力を信じて戦っていくだけだ」。

この日の快勝劇で借金完済まであと「1」。首位と1・5差をキープした。混戦模様のア・リーグ中地区で今後、村上不発でも勝てるような、したたかな戦いを維持できれば、ホ軍が「台風の目」として浮上したとしても、何ら不思議ではない。

○…村上には頼もしい相棒がいる。2年目の24歳、モンゴメリーだ。開幕32試合目までにアベック本塁打7度は、開幕35試合以内でさえメジャー史上最多。5月1日に7度目のアベックアーチを打った際は、ベンチの中で村上と寿司を握って食べさせ合うパフォーマンスを見せた。前日には村上に寿司屋に連れてもらっていたが「よく分からないけど、何か関係あると思う」と話していた。