ソフトバンク摂津正投手(33)が2軍降格の危機に立たされた。「日本生命セ・パ交流戦」の広島戦で、3戦連続で2被弾を許すなど、6回5失点で今季5敗目。今季被本塁打は12本で、自己ワーストだった13年の11本を上回った。調子の上がらないエースに、工藤公康監督(52)は「結果が出なければ、評価されない。今後を含めて、どうするか考える」と、出場選手登録抹消の可能性も出てきた。

 勝負球は、もはや過去の威力を失っていた。摂津が3戦連続で2本のアーチを献上した。いずれもシンカーが甘くなったもの。相手打者は田中に鈴木誠で、パワーヒッターではない。「落ちる時と落ちない時がある。今日のようにズルズルといけば、野手のリズムも作れなかったと思う」。自慢の変化球を思い通りに操れず、6回で5失点KO。すっきりとしない投球が続く。暗い表情で球場を後にした。

 開幕投手を務めた右腕が、2軍降格の危機に立たされた。敗戦投手になったのは、5月2日のオリックス戦以来だが、内容が伴わない。前回登板の5日巨人戦は慎重にコースを狙い過ぎ、6四球で5回2死で降板。序盤は良くても、それが中盤以降に継続できない。今季は12度の先発で4失点以上は7度もある。佐藤投手コーチは「ブルペンではいいんだよ。でも本番で結果を出してくれないと、どの監督でも見方は変わる」と話した。エースの復活を信じてきた工藤監督の口調も厳しくなった。

 「もどかしさはあるだろう。でも、この世界は結果が出なければ、評価されない。この6日間で何をやったかは理解していないが、うまくいかなかったということ。4日間ある。今後を含めて、どうするか考える」

 背信投球が続き、その立場も危うくなってきた。摂津は言った。「ブルペンで良くても、試合で出せなければ、意味がない」。プロの世界は、結果がすべて。それは本人が一番分かっている。交流戦後は4日間試合がない。本人と話し合いながら、今後の方策を練っていくことになる。【田口真一郎】

 ▼今日13日にソフトバンク○で日本ハム●のとき、ソフトバンクは今季交流戦の最高勝率が決まる。ソフトバンクは14日広島戦●でも、最終成績は12勝6敗で勝率6割6分7厘。日本ハムが14日以降に2勝しても、11勝6敗1分けで6割4分7厘となり、ソフトバンクが上回る。