走力並みのスピード残留宣言だ。今季FA権を取得した広島赤松真人外野手(33)が、権利を行使せずに残留することを明言した。球団と初めて交渉し「まずカープが好きだから。優勝を狙える位置にいるし、このチームでやりたい」と即決した。07年オフに阪神へFA移籍した新井の人的補償で入団。10年にはゴールデングラブ賞を獲得するなど選手としての地位を確立した。年々高まる広島愛を再確認し、迷うことなく残留を決めた。

 今季は足のスペシャリストとして、52試合のうち代走で38試合出場。緒方監督は「相手バッテリーと力勝負できるのは赤松しかいない」と信頼を寄せる。走力だけでなく、ベンチにいても出場選手に相手投手の癖や走塁のアドバイスを送ることもある。「チームが若返りする中で、野間や鈴木誠にアドバイスをして少しでも伸びてくれるならチームにとってもプラスになる」。どんな形でもチームに貢献する強い姿勢を示した。