中日の新人12選手(育成6人)の入団会見が11日、名古屋市内で行われ、背番号も発表された。ドラフト1位の東海大相模・小笠原慎之介投手(18)は退団した川上憲伸がつけた11番に決定。ソフトバンクに入った県立岐阜商・高橋純平投手(18)の名前を挙げ、2人で近い将来に侍ジャパンの両輪になる目標を掲げた。

 初めて身を包んだ竜の戦闘服。分厚い上半身と、周囲67センチの太ももが示す下半身は高校生離れ。かつての大エース川上の面影を上回るほど「11」は堂に入っていた。

 壇上でマイクを握り、やや緊張の表情で「伝統のある背番号。その伝統を消さず、新しい歴史を作りたいです」と決意表明した。

 風格は相変わらずだ。代表質問者が、谷繁監督は大洋入団時に「1億円プレーヤーに」と語ったことを紹介。すると隣の谷繁監督は小笠原をツンツンして何かをささやいた。空気を察したドラ1ルーキーは軽い笑みを浮かべて「自分は5億円プレーヤーになりたいです」。軽妙なやりとりで会場を笑いに包んだ。

 1年目からの活躍を誓う黄金左腕の意識は高い。会見ではライバルにソフトバンク高橋の名を挙げ「彼の地元岐阜は愛知に近い。愛知といったら小笠原慎之介と言ってもらえるようになりたい」とキッパリ。さらに「いずれか、ではなく早い段階でそうなりたい」と高橋との日の丸ダブルエースを目標に掲げた。

 高橋とは今夏のU-18W杯でも時間をともにして、大親友になった。今でも連絡を取り合う仲で、プロでの健闘をともに誓う。

 谷繁監督は「頼もしい。あまり早く活躍されるとFAでどこかに出て行かれるんじゃないかと。中日が困ったというくらい活躍してほしい」とエールを送る。目標の新人王は中日では98年の川上以来出ていない。その「11」を継承する。縁起のいい1並びを背負う小笠原が、NO・1でオンリーワン目指してプロ人生を歩む。【柏原誠】