家族の力で、タカ退治だ! 楽天銀次内野手(27)が18日、17日に仙台市内の病院で誕生した第2子に日本一を誓った。第1子で長男の虎次郎(とらじろう)くん(2)が生まれた13年には、球団初の日本一と自身初の打率3割超えを経験。桃次郎(ももじろう)と名付けた次男の誕生は、来季へ向けた大きな吉兆。息子2人の力があれば、ソフトバンク投手陣も怖くない。

 2児の父となった銀次に新たな目標ができた。長男が生まれた13年には、初のリーグ優勝と日本一を達成。ならば第2子が生まれて迎える16年シーズンも…。

 銀次 もちろん。日本一、狙っていきますよ。そのためには鬼退治じゃなくて、タカ退治。誰からとかじゃなくて、ソフトバンクのピッチャー全員から打ちます。今年そこまで打った記憶はないけど、来年は打つ。全力でいきます。

 おやじの決意は強くて固い。長男の虎次郎に続き、次男には「桃次郎」の名を授けた。秋季キャンプを行う岡山・倉敷のヒーロー桃太郎をほうふつさせ、小学2年から大好きな映画「トラック野郎」の主人公の名前でもある。「主人公の星桃次郎はケンカが強いのに女性に優しい。強くて優しい子に育ってほしい」と説明。星役を演じた楽天の地元宮城出身の名俳優、菅原文太さんばりの渋い声色でさらなる願いも明かした。「息子2人が物心ついて、自分が野球選手だと分かってくれるまで第一線で頑張りたい気持ちがある。子供は力になりますよ」。家族が増えるたびに、心地良い責任感が増していく。

 来季は「攻撃的2番」という、日本一奪取に向けたストーリーの成否を左右する重要な役を託された。「2番は打席が増えるでしょうが、ヒットだけでなく、作戦も成功させなければいけない。できて当たり前という状態にしないと。何があっても慌てない準備をする」。状況によってはバントや進塁打など、渋い活躍を求められることも想定済み。仁義なき戦いは既に始まっている。新米パパとなった13年は、自己最多の131試合に出場して打率3割1分7厘と打ちまくった。家族の存在を力に変えて、頂点を目指す銀次の16年がもうすぐ幕を開ける。【松本岳志】

 ◆銀次家と名前 長男は「強い男になってほしい」という願いを込めて、虎次郎と命名。当初はコジローと読ませる予定が、妻の意見を取り入れ「トラちゃん」と呼べるトラジローに。なお、銀次の名前の由来は、祖父の畠山保男さん(68)によれば「金の次に銀で縁起がいいのと、当時、漫画に銀次という主人公がいたらしいですよ」。

<威勢のいい銀次語録>

 ◆「じゃ、じゃ、じゃ、じゃ、じゃ!」(13年7月に3番を務めた9試合が7勝2敗と聞いて。当時は出身地岩手が舞台のドラマ「あまちゃん」が人気となっていたが、普代村では驚く際に「じぇ」でなく「じゃ」を使うとか)。

 ◆「首位打者を取りたい。簡単には取れないでしょうけど。最高打率更新? そうですね、目標は…バースです」(14年1月の自主トレで最強助っ人超えでの首位打者を誓う)。

 ◆「これ以上のことはないと思います! 初めて自分がカッコいいと思いました」(15年4月「銀次デー」と銘打たれたイベントがあった試合でプロ初のサヨナラ打)。

 ◆「来年は活躍して帰ってきて、村にコンビニをつくりたい。1軒もないんで、子供の頃、ずっと行ったことなかったんですよ。一日店長をやって、おでんとか売りたい。もちろん、昆布は普代の昆布です」(15年の契約更改で普代村にコンビニを建てると宣言)。