ヤマハ野球部を昨年限りで退部した戸狩聡希投手(26)が今日11日、独立リーグ、ルートインBCリーグのトライアウト(埼玉・ロッテ浦和球場)を受験する。プロ野球への挑戦だ。「いろいろ悩みましたが、チャンスがあるなら受けてみようと。自分の中に『まだやれる』という気持ちがありました」。

 戸狩は2007年春、常葉学園菊川が初めて全国制覇したセンバツ優勝に貢献。08年夏には、エースとして甲子園は準優勝に導き、09年にヤマハに入社した。だが、長く左ひじ痛に悩まされ、12年オフに手術。14年の都市対抗予選では7試合に先発したが、16年に痛みが再発。優勝した日本選手権ではベンチに入れなかった。かつては最速144キロを誇った本格派左腕だったが、変化球重視の技巧派に変身し、「コントロールと球のキレを見てほしい。実戦のブランクはありますが、ケガは問題ないです」と自信をのぞかせた。

 今回のトライアウトには100人以上がエントリーし、合格は10人以下の見込み。さらに同リーグでは18年シーズンから年齢制限(26歳以下)を導入するため、26歳の戸狩は合格しても、1年限りの契約になりそうだ。それでも、戸狩は「もともと1年勝負と思っています。頑張るしかない」。同リーグは、この2年で日本プロ野球(NPB)から11人がドラフト指名を受けるなどレベルは高い。夢のNPBを目指し、戸狩が勝負に出る。【鈴木正章】

 ◆戸狩聡希(とがり・としき)1990年(平2)6月26日、愛知・豊川市生まれ。小1から野球を始める。豊川東部中ではボーイズリーグのオール豊川所属。常葉学園菊川では4季連続で甲子園出場。178センチ、76キロ。左投げ左打ち。血液型A。