右足首に痛みを抱える日本ハム大谷翔平投手(22)に、球界初の超希少な“秘密兵器”が導入されていることが21日、分かった。早期回復のため、球界への導入は初めてという拡散型衝撃波治療器「ショックマスター」を、沖縄・名護の宿舎に配備している。本人の感覚も上々で、この日は一塁ベースの駆け抜け練習ができるまでに回復。フリー打撃でも、38スイングでスコアボード越えの推定160メートル弾2本を含む11本の柵越えを放ち、順調に復帰への歩みを進めている。

 大きなストライドで一塁を駆け抜けた。右足首を痛めている大谷が、名護のサブグラウンドでベースの駆け抜け練習を開始した。癖になっている右足ではなく、左足でキャンバスを踏む。歩幅に戸惑う場面も見られ「(試合で)とっさになったら分からないですけど…。慣れしかないなと思います」。再発防止、そして復帰へ向けて、またひとつ段階が上がった。

 順調な回復の裏に、世界最高峰の技術がある。沖縄・名護で今月13日に始まった2次キャンプに合わせ、球界では初導入となる拡散型衝撃波治療器「ショックマスター」が、大谷のために宿舎に配備された。2年前に日本に上陸したばかりの、医療業界でも最新の機器だ。

 同治療器は、主に慢性的な痛みに対し、体外から衝撃波を与えて早期回復を促す装置。販売元である酒井医療の担当者は「いったん組織を破壊し、新生血管として再生させるもの」と説明。もともとは足底腱膜炎の治療に使われていたものだが、近年ではサッカー選手やダンサーの三角骨障害の治療に用いられた例もあり、今回の導入に至った。

 1台500万円以上する高級機器で、現在、国内には約80台しかない希少品。そのほとんどが、整形外科などの病院に配備されており、スポーツの一団体が保持している例はない。福島チーフトレーナーは「いまはレンタルさせてもらっています。(大谷)翔平はもちろん、他の選手からも使いたいという声が多いです」。前例がない二刀流を貫く大谷のアクシデントを、最新鋭の機器がサポートしている。

 フリー打撃では38スイングで11本の柵越え。うち2本がスコアボードを越える推定160メートル弾と存在感は相変わらず。「打撃はそんなによくはないです。やりたいことがうまくできなかったりとか、そういう感じ」。これだけ飛ばしても不満顔。打席内の大谷もまた、周囲に“衝撃波”を与えている。【本間翼】

 ◆大谷の右足首負傷 昨秋の日本シリーズ第4戦、8回の第4打席で二遊間への遊ゴロを放った際、一塁へ駆け込み右足からベースを踏んだときにひねった。昨年11月の侍ジャパン強化試合で再発し、足首の三角骨と骨棘(こっきょく)の問題により、痛みを感じる症状が続いていた。