敗戦にも、今季2発目のアンパンチが光った。広島松山竜平外野手(31)が2回1死一塁から西武十亀の内角スライダーを右翼スタンドに運んだ。4月13日巨人戦(東京ドーム)以来の1発。プロ初本塁打を放った思い出の地で、十亀からは3発目と好相性。連勝は7で止まったが、2位阪神も敗れて首位キープ。今日2日から1週間ぶりの本拠地で再スタートじゃけえ!

 内角のスライダーをすくい上げた。赤いバットを放り投げたのは、松山に手応えがあった証拠だ。鋭いライナー性の打球は、そのまま右翼スタンド中段へと消えた。2回1死一塁から先制点をたたき出し「甘い球か分からないですけど、スライダーを呼び込んで打てた」。メットライフドーム大好き男が、2号2ランで右翼スタンドを沸かせた。

 敗戦のなかでもキラリと光った長打力。グラブに「ENJOY!」と刻むほど気持ちを大事にする松山の原点は、この球場にもある。11年6月9日。涌井からプロ初本塁打を放った。当時は10連敗中。さらに直前の打席でバントを失敗し、死に物狂いだった。打席で足場が硬くて掘れず「なんじゃこりゃ」と思いながらも、放物線で消し去った。

 「ミスを取り返そうと無我夢中。気持ちが大事だと、あらためて感じた試合だった。今でも、思い出す試合ですね」

 相性の良さも発揮した。十亀キラーとしても名をはせる。13年、15年にも十亀から1発を放っており、これで通算3発目。松山自身も「何年か前と同じような打ち方でしたね」と笑う。「次の打席ではやられたし、反省も多い」と話したが、4月13日巨人戦(東京ドーム)以来の1発はインパクト十分だ。前日は7番左翼の堂林が1発を放っており、アピール合戦にも懸命についていく。

 先発岡田が粘れず、連勝は7で止まった。だが2位阪神も敗れたため、首位をキープ。緒方監督は「毎回、毎回5点も6点もとれるわけじゃない」と気持ちを切り替えた。今日2日からは地元マツダスタジアムに戻ってロッテを迎え撃つ。真っ赤なスタンドが、黒い軍団をのみ込む。「また準備するだけです」とアンパンマンは、ぐるぐると腕を回している。【池本泰尚】