4番が勝利を引き寄せた。広島鈴木誠也外野手(22)が「日本生命セ・パ交流戦」ロッテ戦の3回に11号同点2ランを放った。11試合連続安打となる1発で流れを変えた。中盤には初出場のバティスタが逆転弾を放ち、2試合ぶり先発の松山が突き放す1発。チーム1試合3発で勝利をもぎ取り、連敗を2で止めた。セ球団がパ球団に苦戦する中、広島が1発攻勢で息を吹き返した。

 連敗の悪い流れも、移動続きの疲労も、1発攻勢とともに振り払った。火付け役は4番。3回。3点ビハインドから1点を返し、なおも1死二塁だった。ロッテ二木の低めの真っすぐを強振。左翼方向へ高々と舞い上がった打球は、左翼席後方にあるコンコースで弾んだ。序盤の劣勢をはね返す1発で、チームに活力を与えた。

 「(二木とは)昨年以来で球が速くなっているとは聞いていた。(第1打席は)いろいろ考えて悔しい結果になったので、切り替えて入ったのが良かった」

 1回は1死二、三塁の先制機で打席を迎えたが、143キロ内角真っすぐで空振り三振に倒れた。頭の中を整理して臨んだ第2打席でアジャスト。とらえた球は同じ真っすぐだった。

 4番に定着し、好成績を残しながら、22歳は苦悩の日々を過ごす。「3番とも、5番とも、4番は違う。やっぱり4番目ではない」。チームの勝敗の責任を取るのが4番の宿命であり、好機で凡退する自分が腹立たしい。試合を決める役割を果たさなければいけない使命感が強い。

 前日までチームは連敗。移動や延長の疲労も重なり、フラストレーションはたまっていた。周囲から「切り替えろ」と声をかけられても、消化できない。解消するためには、自分が打って勝つしかない。「前の試合でもあまり打てていなかったので、(1発で)同点になって良かった」。バットで流れを引き寄せた。

 4番の1発で息を吹き返すと、6回には1軍初打席のバティスタが逆転弾。松山が見逃せばボールとなる低めの変化球を拾う技ありのソロで突き放した。今季3本塁打以上の試合は負けなしだ。

 今季19度目の逆転勝利に緒方監督は「昨日、今日と点差を追う展開が続いた。その中ですぐに追いついてくれた」と4番の仕事をたたえた。セ球団が苦戦する交流戦で、上位争いする広島を若き4番がけん引する。【前原淳】