表情を変えなかったのは、照れ隠しかも知れない。ロッテ涌井が4月15日以来の2勝目。インタビュアーにそのことを振られると「できれば2勝目とか言って欲しくないです」と答え、球場を沸かせた。前々回、前回と4点援護を追い付かれての降板が続いた。2カ月近く勝てず、さすがにモヤモヤがあったという。野手はミーティングで「涌井さんに勝ちを」と団結。仲間の後押しも受け、チームに2連勝をもたらした。

 本調子ではなくても、勝負どころで踏ん張った。5-1の5回1死満塁、1発同点でヤクルト山田。「ピンチでは腕を振って低めに。最近、薄れていたこと」。直球が走っていないと自覚し、変化球中心に攻めた。ストライクからボールになるスライダーで空振り三振。次の坂口もスライダーで左飛に仕留めた。6回6安打1失点、106球の交代は涌井にしては早かった。「勝つためには代わった方が良かった。次は最後まで投げたい」と宣言した。

 ▶ロッテ涌井が交流戦通算24勝目。交流戦の投手勝利で歴代2位の和田(ソフトバンク)に並んだ。1位は杉内(巨人)の26勝。