交流戦Vいったるで~。阪神が「日本生命セ・パ交流戦」で、勝率1位争いに踏みとどまった。同点の4回、俊介外野手(29)が勝ち越しの今季1号ソロを放った。プロ8年目での甲子園初アーチ。糸井嘉男外野手(35)が負傷の影響でベンチスタートが続く中、交流戦ラストウイーク初戦で大きな勝利を運んできた。虎は首位3球団を1ゲーム差で追う5位タイ。交流戦13年目での「初V」へ、本拠を埋める虎党の声援にも乗って突き進むぞ!

 糸井欠場も、主軸の不振も、その一振りがかき消してくれた。同点の4回2死走者なし。俊介が振り抜いたバットを投げ、夢中で走りだした。目を見開いて打球の行方を追う。「風もあったので、風が助けてくれたのかなあとは思います。ホームランを打つバッターじゃないので」。打球は鮮やかな弧を描き、左中間スタンドまで届いた。

 これが今季1号、通算でも4号、そしてプロ8年目での甲子園初アーチとは思えない。金本監督もビックリの完璧な一打だ。指揮官は「入ると思わなかった」。さらに「本当に、いい打ち方をしたんでしょうね。どうせ打てないだろう、と見ていた(笑い)。意外とボールが落ちなくて、一番深いところに入ってくれて」とジョークも交えながら笑顔で振り返った。

 試合を最初に動かしたのも、この男。2回に先制2点二塁打。140キロの高め直球を左中間へ。「しっかり振れているから(外野の)間を抜けていく」。左太もも裏の軽い筋挫傷で糸井がこの日も先発メンバーから外れた一戦。右翼を守った男は次打席での3年ぶりアーチを含め2安打3打点と輝いたが、決して偶然ではない。今春に約8キロ増量し、シーズンイン。金本監督も「体も大きくなった」と認めるパワーアップが、強い打球を放つ源だ。