俊介は今季開幕1軍を果たしたが、出番が少なく1度降格。2軍で打率3割1分4厘、3本塁打と結果を残し、再びはい上がってきた。金本監督が「2軍のスタッフに聞いても『俊介だけは気を緩めず、ちゃんとやっていた』と。そういうことがあって、上げなおした」という男は、前カードで初めて交流戦負け越しを喫するなど苦境に立たされたチームを救った。しかも、甲子園初弾という指揮官も驚かせるアーチで、だ。

 金本阪神2年目の今季、振り返れば劇的勝利はいくつもあった。5月6日に9点差逆転勝利。交流戦開幕戦勝利は、この日の主役でもある俊介が初先発で3二塁打4打点と大暴れ。6月に入れば岡崎プロ13年目1号&翌日サヨナラ打…。ヒーローは決して主軸だけではない。糸井の先発復帰はまだ時間がかかりそう。指揮官は「勝っていくためには、代わりの選手がカバーするのが大事」。交流戦勝率1位もまだ手が届くところにある。劇弾が、新たな主役が生まれる虎が、交流戦初戴冠に挑む。【真柴健】

 ▼阪神が西武に勝ち、交流戦8勝5敗として楽天と並び5位タイ。05年から始まった交流戦で、阪神が最終的に1位になったことはない。惜しかったのは08年で、同じ15勝9敗でソフトバンクと並びトップに立ったが「勝利数、勝率が並んだ場合は、前年度交流戦順位の上位球団を上位とする」規定により、07年に10位の阪神を同9位のソフトバンクが上回り1位、阪神は2位となった。