阪神がサヨナラ勝ちで、就任2年目の金本知憲監督に通算100勝目を届けた。原口が延長10回1死満塁、シュリッターの真ん中151キロを左前にサヨナラ適時打。手荒い祝福でびしょぬれの原口は「全員がつないでくれた。絶対に僕がかえしてやろうと」と会心の笑顔をみせた。

 燃えないはずがない。延長10回、先頭高山が四球で出塁すると、打席に立った福留が初球をセーフティーバント。前日14日に右手中指を負傷していることが判明した福留の、2年ぶりの犠打だった。続く中谷がこの試合5安打目となる右前打で一、三塁とすると、目の前で鳥谷が敬遠で満塁。原口は高ぶる感情を抑えきれなかった。「中谷が出たところで(自分と)勝負だと思っていた。心の準備はできていた」。サヨナラ打は、気迫の一撃だった。

 金本監督は、自身の節目の勝利にも「今日の勝ちがどうしてもほしかったので、それしか頭になかった」と関心なし。「(先発を)俊介と原口で悩んだが、原口もそろそろ打つ頃かなと。最初の2打席を見たらガクッときたけど。最後は彼らしい勝負根性。彼の集中力、強さでした。恐れ入ります」と、若手の活躍を何より喜んだ。これで今季交流戦の負け越しがなくなり、今日16日からパ・リーグ首位の楽天戦に臨む。