球界最年長であるロッテ井口資仁内野手(42)が20日、ZOZOマリンで会見を開き、今季限りでの現役引退を表明した。

 1年春からレギュラーをつかんだ青学大時代の井口は、東都大学リーグ通算最多24本塁打、1シーズン8本塁打など数々の記録を塗り替え、4度のリーグ優勝に導いた。黄金期を支え、4年時には主将を務めた。河原井正雄氏(62=前青学大監督)は「(両翼)90メートルの球場で高さ30メートルのネットをロングティーで越していた。普通は無理。1年の時、4年に小久保がいて刺激を受けていた」と懐かしむ。

 引退の正式な報告を受けたのは今春のキャンプ前だった。「最後だから石垣島に見に来て下さいって」。2軍キャンプを訪れると、1つだけリクエストした。「ショートを守ってくれ」。近年は一塁を守る井口は、守備練習で慣れ親しんだ位置についた。恩師は「動きは悪かったな」と笑いながら、「やっぱりショートだったから」と教え子の動きを目に焼き付けた。

 初めて学校を訪れた高校3年の時。遊撃を守る井口の姿に目を奪われた。「プロに行った方がいい。監督に謝ってすぐに帰ったんだ」。打撃力に加え、打球を追うスピードが「動物的だった」。数日後、両親から電話をもらった時もプロを勧めた。それでも本人の進学への思いは強かった。「下積みの人間の気持ちも、裏方さんの気持ちもよく分かってる。いい指導者になると思う」と確信している。