球界最年長であるロッテ井口資仁内野手(42)が20日、ZOZOマリンで会見を開き、今季限りでの現役引退を表明した。

 高校時代の井口を指導した高良武士氏(55=前国学院久我山監督)は「リーダーシップというより、みんなが自然についていくオーラがある。言葉より、プレーで引っ張るタイプのキャプテンだった」と言った。

 同校のグラウンドは、左翼付近でサッカー部が練習していた。通常の練習では危険なためフリー打撃は行わないが「井口が引っ張らないので打たせて下さいって言うんです」。言葉通り、1球も左翼方向に行くことはなかった。「ボールを引き付けて右に打つのは、高校時代からうまかった」と懐かしんだ。右打者で約100メートル先の校舎にぶち当てたのも井口だけだった。

 高校2年夏には「3番遊撃」で甲子園に出場。西東京大会では神宮球場の右中間スタンドに本塁打を放った。高校時代からプロのスカウトは訪れたが「大学に行って、アトランタ五輪に出たいと言っていた」と青学大を選んだ。「勉強もできた。普通に受験しても大学に入れたと思います」と文武両道の強打者だった。