休んでなんていられない。阪神の自主練習日だった20日、猛虎戦士が続々と甲子園に集結した。23日からの広島3連戦(マツダスタジアム)でリーグ戦が再開。3ゲーム差で追うカープとの首位攻防戦を前に、原口文仁捕手(25)ら若手野手が志願参加。初戦に先発予定のランディ・メッセンジャー投手(35)ら先発陣も顔をそろえた。広島に3連勝すれば5月27日以来の首位奪回。みんな気合十分だ。

 正午前の気温は29度。早くも真夏を思わせる甲子園に、トレーニングウエアを着た選手が続々と集まってきた。原口も阪神園芸職員が手際よく球場の整備を進める中、外野のフェンス際を黙々とランニングした。「昨日休みましたから。十分です」。この日の練習は、個人の判断に任される「自主練習日」。だが、当たり前のように体を動かした。

 投手陣の動きも活発だった。18日に出場選手登録されたばかりの柳瀬、山本がそろってグラウンドに姿を見せると、今季すでに31試合に登板している桑原までも登場。メッセンジャー、能見ら先発陣も続々と集結した。驚く「出席率」に投手陣に付き添った伊藤トレーニングコーチも「みんな自主的に来た。気合が入ってるね」と目を丸くしたほどだ。

 グラウンドだけではない。球場に隣接する室内練習場からは打球音が鳴り響いていた。この日は開幕からチームを引っ張る福留、鳥谷に加え、左太もも負傷からの完全復活を期す糸井に上本の4選手が「強制休養」を言い渡されていた。もちろん他の選手も休日を選択できる「自主練習日」。だが、ほとんどの選手が集結。高山、梅野ら「レギュラー組」も室内にこもり、牙を研いだ。

 3ゲーム差で追うコイの尻尾は、ハッキリと見える。今季ここまで6勝3敗と勝ち越しており、23日からの3連戦で全勝すれば順位は逆転。5月27日以来の首位に立てる。金本監督は8試合連続でスタメンから外れている糸井を広島戦から先発復帰させることを明言。追い風も吹く。今日21日からは甲子園で全体練習が行われるが、猛虎戦士の闘志はすでにメラメラと燃えている。【桝井聡】