虎がリーグ戦再開でいきなり正念場を迎えた。首位広島に連敗。交流戦ラスト2試合に引き続き、今季ワーストの4連敗を喫してしまった。鯉とのゲーム差も今季最大の「5」に。だが、まだシーズン半分以上の77試合も残っている。いくつものミラクル勝利を飾ってきた今季の虎なら、決してミラクルとは言わない逆襲劇を期待してるで。

 敵地の戦いは、降雨ノーゲームを含め、3日間とも苦戦を強いられた。一矢報いるはずが、結果的には5点のリードを許しての敗北。今季ワーストの4連敗。首位広島とのゲーム差も今季最大の「5」となった。昨年の覇者との力の差か。金本監督はその表現を選ばなかった。

 「打線がつながらない。あと1本で、と状態は悪いけど、その差でしょう。向こうは波に乗っているし、いい時期だ。こっちは沈んでいるし…」

 チーム全体の状態の差が2戦2敗の結果につながったとみる。確かに甲子園を舞台にした5月上旬の前カードは、9点差を大逆転するなど3タテを食らわせ、阪神に分があった。

 力の差を認めるのは早計か。この日は、確かに広島を上回る8安打を記録。しかしフライアウトが12個と走者を進められなかった。広島の先発大瀬良を攻略するチャンスを自ら手放した印象だ。初回には鳥谷の失策と四球から先制点を許した。これでは今の広島を止められない。もちろん、金本監督は不調だけで問題を片付ける考えはない。「だからといって、何もしないというわけにはいかないんだから。各自がそれぞれ何かをしないと。打開していかないと」。打線をつなげるために、それぞれに工夫を求めた。

 最近5試合で3得点以下が4度。うち2試合は0封負けを喫した。糸井のスタメン復帰は明らかにプラス材料。いかにつながりを持たせるか。今後は攻撃面の復調が課題になる。指揮官は言う。「ゲーム差という時期ではないが、離されないようにしないと。まだ半分、終わってないですから」。阪神で言えば、過去には05年に5ゲーム差をひっくり返し、リーグ制覇を成し遂げている。66試合を消化したが、金本監督の言葉通り、まだシーズンは77試合もある。昨年の日本ハムは67試合消化時点でソフトバンクに11・5ゲーム差つけられていたが、大逆転優勝を飾っている。

 もちろん、これ以上、差をつけられるわけにはいかない。再戦の舞台は球宴明けの7月17日、甲子園だ。強い広島に食らいつきながら、逆襲のチャンスをうかがう。【田口真一郎】

 ▼阪神の4連敗は今季最長で、16年9月6日巨人戦~同10日ヤクルト戦での4連敗以来。今季これまでの最長は3連敗で、4月1日広島戦~同4日ヤクルト戦、5月18日中日戦~同20日ヤクルト戦の2度。