中日大野雄大投手(28)が6回無失点の好投で必勝リレーを引っ張り、チームは2試合連続の完封勝利を飾った。2位阪神に3連戦で1点しか与えず、今季2度目の同一カード3連勝に成功だ。

 ホームでやっと初勝利の大野は、お立ち台で一瞬の沈黙のあと「今日は泣きません。遅くなってすみません!」と笑顔で叫んだ。最初から飛ばした。「絶対勝たなあかん試合だった。正直、いっぱいいっぱいだったので後ろに任せました。本当はもっと長い回を投げないといけない」。プライドより白星を求め、今季2勝目を手にした。

 岩瀬には「今日は投球の意図が見えた」と言われたという。3回で64球を要したが、序盤は球数を多く使ってでも0点を並べるプラン通り。右打者への内角球がボール判定されても、しつこく投げ込んだ。

 どん底の中で多くを学んだ。ブルペン待機の時期は先発のリズムの大切さを。前カードの巨人戦で右への内角攻めで勝ったバルデスや小笠原を見て「これが左の抑え方だよなと思った」。19歳小笠原の言動や、意識の高さにも「すごいと思う。負けていられない」と刺激を受けた。

 セ・リーグ再開後は5勝1敗。ローテ投手6人全員が好投し、リリーフも大奮闘。今季8度の完封のうち、6月だけで6度。借金は4まで減った。森監督は「1-0で救援に3回任せるのはキツいこと。でも大野は試合を作って、勝ちがついたからよしとして、リリーフに感謝してもらいましょう。この勢いを少しでも続けられたら」と穏やかな表情だった。【柏原誠】