ロッテ益田直也投手(27)が緊急登板で好投した。

 5回1死一、二塁で先発石川が死球を出し、危険球退場。ブルペンにいた益田は全く準備していなかった。「アップもしてませんでした。向こう(マウンド)でつくってくれと。ここまでの(緊急登板)は初めてでした。打たれてもしょうがない。四球だけは出さないよう、カウントは悪くしないようにと思いました」と、ブルペンを飛び出した。

 ところが、準備が出来ていなかったのは、益田だけじゃなかった。リリーフカーもだ。なぜか、エンジンがかからなかったため、益田は仕方なく小走りでマウンドへ。「恥ずかしくて。(先発の退場という)周囲のすごい状況と、走ってる自分の差が。僕を見て、大地(鈴木)や三木も笑ってるし。でも、それで緊張がなくなりました」。マウンドに向かう益田の口元もほころんだ。

 12球ほど投げ、急ピッチで肩をつくると「準備不足はなかったです。感覚はつかめました」と落ち着けた。ここからが圧巻だった。まずは、市川を外の真っすぐ146キロで空振り三振。続く中島は低めのスライダーで空振り三振でピンチを脱した。

 ベンチに下がる右腕に対し、スタンドからは「益田コール」が鳴り響いた。