巨人がAクラス死守すら遠のく痛恨の4連敗を喫した。FA移籍後、初の古巣対決となった山口俊投手(29)が勝手知ったるDeNA打線にのみこまれた。2回、ロペスに真ん中スライダーを捉えられ、18号ソロで集中砲火の口火を切らせてしまった。投手今永を含む3連打でさらに2失点。3回は筒香に落ちないフォークが半速球となり、天井をはうような特大2ランを浴びた。一方的な展開に汗が噴き出した。

 4回9安打6失点でKO。「調子自体は悪くなかった。ただ自分自身が考えすぎた。本来の投球スタイルができず、慎重になった。直球あっての変化球と再認識した」と振り返った。

 異様な雰囲気が狂わせたかも知れない。前夜の試合中の予告先発発表時はブーイングが巻き起こった。この日も左翼席から罵声が飛び、4回に今永への投球が足元を襲うと、怒号がうずまいた。野球でここまでのブーイングは珍しいが「あまり気にならなかった」と言い、高橋監督も「それはある意味、普通。打たれたこと以外は特に変わったことはない」と一線を引いた。だが結果は厳しかった。

 首位広島と絶望的な16ゲーム差、3位DeNAまでも6・5ゲーム差と危険水域だ。予定していたローテも再編成する可能性が高まった。菅野を1日前倒しして中4日で5日広島戦に投入する構え。先発2日後は休養日だが、この日は返上して遠投などで調整した。広島戦から中5日で11日のヤクルト戦に向かえば、球宴前最終戦の12日の同戦にマイコラスを送り込める利点がある。厳しい日程も覚悟してフル稼働させる。

 先発の軸で勝てない戦いが続いている。高橋監督は「苦しくなるが、彼らが100回投げて100回勝つわけではないから」と締めた。今季ワーストの19被安打、ワーストタイの借金11。流れを断ち切らないと、負の数字が並び続けることになる。【広重竜太郎】