阪神ランディ・メッセンジャー投手(35)が4日、異例の行動で藤浪晋太郎投手(23)ら若手投手に「愛のゲキ」を飛ばした。1軍本隊を離れて鳴尾浜で調整した助っ人は、2軍投手らが行った投内連係練習に自ら志願して参加。「若い選手がなかなか集中できていない」と意図を説明した。メンバーの1人だった藤浪は不振にあえいでおり、助っ人も心配している様子。先発する今日5日DeNA戦(横浜)のマウンドも、藤浪へのメッセージにするつもりだ。

 じめじめとした梅雨の鳴尾浜。メッセンジャーは身長2メートル近くある体をのっしのっしと揺らしながらグラウンドへ歩みを進めた。若手投手がこなしていた投内連係練習に突然参加。試合さながらにキリッとした目つきで軽快な動きを披露した。1軍本隊から離れ、残留している助っ人であれば免除されるはずの2軍のメニュー。あえて参加したのには理由があった。

 メッセンジャー 志願だよ。若い選手がなかなか集中できていない。ボク、35歳。集中した練習を見せた。練習でできないことは試合でもできないからね。

 若手の手本になろうとする、助っ人としては異例の行動だった。投内連係のメンバーは2軍調整中の藤浪、ルーキーの小野、才木、浜地、藤谷ら20代前半までの顔ぶれ。練習中は最後方で若手の姿を見つめ、自身の出番になればゆっくりとマウンドへ上がった。直接的な言葉をかけるのではなく、機敏な動きで、背中で手本を示した。

 藤浪に対する、愛のゲキの意味もあったのかもしれない。不振による5年目右腕の2軍生活は1カ月を超えた。2日の2軍中日戦で危険球退場となるなど、経過自体も順調とはいえない。ここ数年、一緒に先発の柱としてチームを支えていただけに、やはりメッセンジャーも藤浪のことを心配していた。

 メッセンジャー 今は(1軍に)戻る時期ではないかもしれない。トレーニングも大事だけど、コーチのアドバイスに耳をしっかり傾けてほしいね。チームには必要な戦力なんだから。

 早く戻って来いとばかり、来日8年目の右腕は背番号19の復活を望んだ。藤浪はこの日、鳴尾浜でのミニキャンプを開始。1軍登板へ向け、もがき苦しむ日々が続いているが、チームの後半戦の反攻に必要不可欠な存在だ。

 メッセンジャーのメッセージは、先発する今日5日DeNA戦(横浜)のマウンドにも込められるはず。藤浪に、若手に届けとばかり、助っ人は魂を込めて投げ込む。【山川智之】