チームだけでなく、後輩を救った。「プレッシャーもあったと思う。悔しかったと思うけど勝てたことが良かったし、堀にとっても良かったと思う」と、振り返った。豪快な同点弾が飛び出す直前の7回表。1点リードの場面でドラフト1位堀が、本拠地初マウンドに上がった。3試合目の登板で初のセットアッパー起用も、ソロ本塁打2発を浴び逆転を許していた。失意の高卒新人左腕のプロ初黒星を消し去る1発に栗山監督も「翔平のホームランで(堀の初黒星も)消えた。やっぱり物語がある」と、うなった。

 自らの新人時代には、主砲の1発に助けられたことがある。プロ初登板初先発となった13年5月23日ヤクルト戦(札幌ドーム)。5回6安打2失点でリードを許したまま降板したが、8回に4番中田の同点弾でプロ初黒星は消えた。試合後は「先輩の皆さんに助けてもらってありがたかった」と振り返ったが、今や主力として立場は変わった。

 レンジャーズやパイレーツがネット裏から視察する中で放った、価値ある放物線をきっかけにチームは3連勝だ。今日18日からの3位西武との3連戦へ向けて大谷は言った。「かなり(西武)打線もいいと思うけど、負けないようにしたい」。上位相手にも、勢いそのままに白星を重ねる。【木下大輔】

<日本ハム今季サヨナラ勝ち>

 ◆田中賢の適時打 4月29日楽天戦(札幌ドーム)で、9回2死一、三塁から田中賢が右前適時打。楽天の守護神松井裕から放った一打は自身5年ぶりのサヨナラ打だった。

 ◆大田の適時打 5月3日ロッテ戦(札幌ドーム)の9回無死満塁、大田がロッテ益田から中前に適時打を放った。プロ9年目で新天地に移った新戦力が初のサヨナラ打をマークした。

 ◆松本の適時打 7月20日楽天戦(札幌ドーム)の延長11回1死一、三塁から、今季ブレークした松本が二塁内野安打を放った。6年目でプロ初のサヨナラ打だった。