巨人が4年ぶりのリーグ優勝奪回をかけて、改造に着手する。打撃部門のテコ入れとして、OBの吉村禎章氏(54)をコーチとして招へいに動くことが3日、分かった。チームは近年の課題である打線強化を果たせず、3年連続のリーグV逸の要因となっていた。巨人での指導歴が豊富な同氏に白羽の矢を立てる。

 06年から2軍監督を務め、若き日の坂本勇に実戦を積ませ、正遊撃手の土台を築いた。09年には1軍打撃コーチで打率、本塁打、得点とリーグ1位に導き、V3に貢献した。チームは阿部、村田がベテランとなり、坂本勇に続く若手が台頭していない。後半戦は捕手の宇佐見が4本塁打を放ち、来季以降の本格ブレークも期待される。同じ左打者の吉村氏には若手レギュラー格の育成が期待される。

 また大砲候補として中日アレックス・ゲレーロ内野手(30)ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(33)らを調査している。今季チーム本塁打が113本と昨季の128本から減少。チーム最多もマギーの18本だった。来日1年目で35本を放ち、本塁打王獲得が決定的なゲレーロ、来日7年中6シーズンで30本塁打をクリアし、シーズン60本塁打のプロ野球記録を持つバレンティンの動向を追っている。ともに巨人が今季埋められなかった左翼手。ただ中日、ヤクルトが残留交渉に臨む姿勢を見せ、現段階では今後の推移を見守る必要がある。

 FA市場も投手を中心に西武牧田和久(32)日本ハム増井浩俊(33)宮西尚生(32)中日谷元圭介(32)らの動向を注視している。若手育成も推進するが、戦力補強にも精力を注ぐ。