ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(33)が、優勝できるチームでのプレーを熱望した。4日、成田空港から自宅のある米国へ帰国した。空港で、来季の所属球団について「優勝できるチームでやりたい。自分がチームを助けて、勝てるところでやりたい」と話した。前日3日に巨人が獲得調査を行っていると判明。去就が注目される中で口を開いた。

 日本でプレーしたい意向は強い。来季は来日8年目。今季も32本塁打を放ち、6シーズンで30本塁打をクリアした。今年は開幕前の第4回WBCでオランダ代表として活躍。メジャー復帰も示唆していたが「現実問題を考えると33歳だし、日本で良い環境の下でプレーできるのであれば最優先は日本に戻ってくることになる」と話した。

 チーム愛は強い。かねがね「ヤクルトで現役を終えたい」と話しており、この日も「日本でチャンスをもらい、扉を開いてくれた球団。本当に感謝している」と発言。一方で他球団の動向について「自分に興味を持ってくれるということはいいこと。でも自分が決めることじゃなくて、相手があってのこと」と移籍の可能性を否定しなかった。

 球団は残留に向けて冷静に動く。この日、衣笠球団社長は都内の球団事務所で「報道を見ると巨人が(獲得に)来ているというのは現実。推移を見守りたい」。今季の推定年俸は300万ドル(約3億3000万円)と高額で、過剰なマネーゲームには応じないとした。バレンティンは「また来年」と話し、出国。まもなく交渉が本格化する。