虎の下克上プランに水を差す雨だ。6日に予定されたリーグ最終戦の中日戦(甲子園)が雨天中止で10日に延期になった。阪神はこの日全日程を終了すれば、野手を含む1軍メンバーでフェニックス・リーグ(宮崎)に参加し、短期合宿を行うはずだった。野手の派遣を見送ることになった金本知憲監督(49)は「いろいろ狂うよ。大変だよ」と苦い顔だ。また、この日先発予定だったランディ・メッセンジャー投手(36)が10日中日戦に先発することが判明。中3日で14日のCSファーストステージ初戦に向かう可能性も出てきた。

 午後4時15分に天候不良で試合の中止が決定した。リーグ最終戦は10日に延期。下克上を狙う金本阪神の調整プランは大幅な変更を強いられた。「いろいろ狂うよ。大変だよ」。球場を後にする際、指揮官は思わず苦笑した。

 この日、全日程を終了すれば、9日に宮崎で開幕する秋季教育リーグの「フェニックス・リーグ」に野手も含めた1軍メンバーが出場する予定だった。3試合、調整し、14日のCSファーストステージに臨むプランだ。2位から日本シリーズに進んだ14年と同様の道のりを描いた。実戦感覚と緊張感の維持を目的とした短期合宿の意味合いがあった。しかし10日に最終戦が入ったことで、投手を除き、宮崎派遣は見送り。「行かないよ」と金本監督は言った。

 きょう7日からCS初戦まで7日間。その間に実戦は1試合だけ。それでも指揮官は実戦形式などの練習は基本的に行わない考えを明かした。「もういらないでしょ。10日に試合をやって、その後は(CSまで)4日間か」。1軍の投手陣は宮崎で不在。2軍本隊もフェニックス・リーグに向かうため、紅白戦を行う余裕はない。今後、主力選手は休養日があり、日程を考慮すれば、シート打撃なども不要と判断した模様だ。10日の中日戦が最終調整の場になる。「(主力が)行かないかん。3打席ぐらい、立ってもらわないと」。消化試合ではあるが、レギュラー陣の出場は確実となった。

 「勝って、終わりたい。貯金も17できるのか」。80勝には届かなかったが、白星で締めくくれば、78勝でフィニッシュ。リーグ最終戦はCS本番を見据えた真剣勝負になる。天のいたずらが今後をいかに左右するか。地元調整で短期決戦に挑む。【田口真一郎】