阪神金本知憲監督(49)がリリーフ左腕の先発復帰構想を明かした。今日2日から始まる秋季キャンプのため、1日に高知・芸西村のチーム宿舎に入った。指揮官は今季中継ぎで66試合に登板した岩崎優投手(26)を春季キャンプまで先発調整する方針を打ち出した。代役のリリーフ左腕が出現することが条件だが、先発陣の立て直しへあらゆる手を尽くす。

 

 金本監督が早くも先発陣の整備に着手した。キャンプ地に入り、リリーフ左腕の先発復帰プランをぶち上げた。「岩崎をもう1度、先発に戻す構想がある。条件付きですけどね」。今季、中継ぎに転向し、66試合に登板。鉄壁と言われたブルペンの一角を担った。再び先発陣の枠に組み込む考えを明かした。

 今オフの大きな課題に、先発陣の立て直しがある。先発ローテーションの柱になるはずの藤浪や岩貞が不振にあえいだ。青柳や2年目の小野は来季未知数。ベテランの能見も来年は39歳になる。軸として計算できる投手は現状でメッセンジャーと秋山だけ。球団はFA権を取得した西武野上やソフトバンクを構想外となった左腕山田の獲得調査に動いているが、不確定要素だ。そこで浮上したのが、岩崎だった。

 苦肉の策とも言える。もともと岩崎の中継ぎ転向は金本監督の発案で的中した。「リリーフでも生きると思っていたから、回した。実際に生きてね。でも先発の枚数が足りないから。リリーフの調整をやってから先発は厳しい。投手コーチと相談したが、先発の調整をしていれば、リリーフにいきやすいと言うから」。まずは先発候補の枚数を増やし、競争意識を刺激する。

 現時点では、岩崎の先発復帰は条件付き、と指揮官は言う。問題は2点ある。1つは代役となるリリーフ左腕が見つかるか。もう1つは岩崎が先発として、中継ぎのような球威を維持できるか。「決まりと違うよ。来年の春のキャンプもそうなるんじゃないかな」。来春キャンプまで先発で調整させ、チームの状況を見ながら、開幕時の役割を見定めていく。

 岩崎は秋季練習で背中の張りを訴え、別メニューで調整している。当面はチーム本隊を離れ、鳴尾浜の残留組でリハビリする方向。故障箇所の回復次第で、秋季キャンプに合流する可能性もある。岩崎の動向が、先発、中継ぎの来季編成に影響を与えるのは間違いない。【田口真一郎】