荻野が西川(日本ハム)源田(西武)に次いで今季リーグ3位の26盗塁をマーク。これで荻野は新人の10年から8年連続2桁盗塁となり、プロ通算の盗塁が153。2リーグ制後、プロ1年目からの連続2桁盗塁は59~74年張本(日本ハム)81~96年大石(近鉄)の16年が最長で、8年以上続けたのは01~09年赤星(阪神=9年)以来10人目だ。荻野はまだ規定打席をクリアしたことがない。通算150盗塁以上の124人中、119人は150盗塁到達年前に規定打席を経験し、96年緒方(広島)08年福地(ヤクルト)が初めて規定打席をクリアした年に150盗塁を記録。規定打席に全く縁がない150盗塁は78年飯塚(ロッテ)10年鈴木尚(巨人)に次いで3人目だった。

 
 

 今季の盗塁失敗は3度だけ。盗塁成功率8割9分7厘は、盗塁王西川の8割8分6厘より高かった。成功率が高いのは今季に限ったことではなく、この8年間で8割未満は7割8分3厘の15年しかない。通算成功率は8割7分9厘で、カード別を見てもパ・リーグ5球団、交流戦とすべて通算成功率が8割を超え、盗塁技術はかなり高い。通算150盗塁以上の成功率ランキングを見ると、3位がイチロー(オリックス)の8割5分7厘7毛、2位が西川の8割5分8厘4毛で、荻野が西川に2分以上の差をつけ1位に立っている。

 成功率が高いのに、30盗塁できないのは1年を通して1軍にいたことがないから。とにかくケガが多く、大きなケガのなかった今季は打撃不振で2度の2軍落ち。今季のパ・リーグ規定打席到達者が打率3割5分7厘を記録した打者有利のカウント0ストライク時に打率2割8分7厘で、昨年の同ケースは2割5厘。打撃に課題は残るが、1年間働ければ盗塁王の最有力候補になるだろう。【伊藤友一】

 
 

◆貧打…75年のDH制後ではリーグ最低打率

 ▼ロッテは球団ワーストの87敗を喫し6年ぶりの最下位。4月28日~5月18日に球団ワーストタイの18試合連続1桁安打を記録するなど、今季は1桁安打が104試合もあり、チーム打率が昨年の2割5分6厘から2割3分3厘へダウン。パ・リーグでは74年近鉄2割3分以来の低打率で、75年のDH制後ではリーグ最低打率だった。ひどかったのが4番打者。ペーニャの43試合を筆頭に8人起用した先発4番の打率が2割1分6厘。こんなに4番の打率が低いのは、両リーグを通じて73年太平洋2割1分5厘以来、44年ぶり。