【ホノルル(米ハワイ州)15日(日本時間16日)=石橋隆雄】エースの座を奪い返す。ソフトバンク和田毅投手(36)が、来季の開幕投手を狙うと宣言した。これまでは「前年に実績を出した投手が務めるもの」という考えだった。今季は左肘手術もあり、わずか4勝だったが、最多勝の東浜、勝率1位の千賀らと争い、日本一連覇へ導くエースとして1年間を投げきるつもりだ。

 ハワイの夕日を浴びる和田の言葉に熱がこもった。「開幕投手を争いたい」-。今季は6年ぶり4度目の大役を務め、ロッテを相手に8回1失点で勝ち投手に。だが、その翌日から左肘の状態が悪くなり、患部を手術。わずか8試合で4勝に終わった。

 「開幕投手になってチームの勝ち頭になるのは先発をやっていく中で目指すのは当然。東浜、千賀も(開幕へ)欲を出しているが、いい競争意識になり、チームにとってもそれが一番いい」

 米球界から16年に復帰した際は「開幕投手は前年に実績を出した投手が務めるもの」と話していた。今回は前年4勝でも開幕争いに参戦する。16勝を挙げて最多勝の東浜、勝率1位の千賀も13勝をマーク。若手の突き上げにも「まだまだ負けられない」思いが強い。

 37歳で開幕マウンドに立てば、自身の球団記録を更新する。「若いころみたいに体の若さで維持するのは難しい」。自覚があるから準備は怠らない。トレーニングを続ける中で、加齢に勝てそうなきっかけを見つけたという。下半身の無駄な動きを減らし、力みをなくすことで体への負担を減らす。「体の使い方がよければ1年間投げきれる。1年間ローテーションを守る。ポストシーズンも含めて」。来季はすでにシーズン180イニング以上投げることを目標としているが、開幕から日本一連覇までの完走が最大の目標だ。

 ハワイでは、かすみ夫人や長女とバナナボートに挑戦するなど家族サービス。それでもランニングは欠かさなかった。帰国後、18年シーズンへ向けて本格的にスタートする。