「新」時代の幕開けだ。巨人ドラフト1位の中大・鍬原拓也投手(21)が、来年の漢字1文字に「新」を選んだ。理由は「プロという、今までとは違う新しい環境でやっていくという決意でもあり、新人王を目指すという意味もあります」と説明。1年目へ懸ける意気込みを1文字に込めた。

 文字には、性格がにじみ出ていた。ポストカードを前に「うーん、迷うな」と一言つぶやくと、1分後「シンプルな漢字にします」とペンを手にした。1画ずつ丁寧にペンを進め、右肩上がりの「新」を力強く書き上げた。右肩上がりの文字を書く人は一般的に「物事を素直に受け止め、向上心が高く、積極的に取り組む」性格とされる。「ちょっと左に寄っちゃったな」と笑ったが、厳しい世界で戦うために必要な野心を、文字にのぞかせた。

 年明けには「新」居となる寮へ入り、「新」人合同自主トレも始まる。「新」が今年の漢字に選ばれた09年の「新」人王は、育成出身の松本哲と縁起もいい。「周囲の期待は感じるので、その分活躍しないといけない。1年目からしっかりアピールをしていきたい」。「新」世代のエースを目指し、仮契約時に目標に挙げた母への「新」居購入も実現させる。【桑原幹久】