今年の野球殿堂入りが15日、東京都内の野球殿堂博物館で発表され、エキスパート表彰として前巨人監督でリーグ優勝7度、日本一3度の原辰徳氏(59)らが選ばれた。

 原氏は巨人で長く4番を務めて382本塁打を放った現役時代以上に、監督として輝かしい実績を残した。巨人を率いた12年間で7度のセ・リーグ優勝、3度の日本一を達成した。

 2002年に就任1年目で日本一となった。03年限りで退任し、06年に復帰すると補強と育成を組み合わせて常勝チームをつくった。2度のリーグ3連覇を成し遂げ4位以下は1度だけだった。

 「自己犠牲」を選手に求め、常に勝ちにつながるプレーを求めた。采配面ではセオリーにとらわれず、大胆なシフトを敷くなど柔軟だった。人心掌握にもたけていた。09年の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では日本代表監督を務め、昨季まで米大リーグ、マーリンズに在籍したイチローら個性の強いメンバーをまとめて世界一に輝いた。

 アマチュア時代に父貢氏との師弟関係が注目された。貢氏が監督を務める神奈川・東海大相模高で2年時に春の甲子園大会で準優勝し、東海大でも父が指揮を執った。貢氏が亡くなった14年には父との思い出が詰まった横浜スタジアムでリーグ3連覇を決め「(見えない後押しが)われわれに力をくださった」と感慨に浸った。