薩摩の国から、大和内野手(30)がDeNA新時代の幕開けを誓った。21日、生まれ故郷の鹿児島・鹿屋市にある串良平和アリーナで自主トレを公開。「守備を一番評価されて入った人間。そこでミスを減らすためにやっている。何一つ不安はない」。NHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」の地であり、自身が生まれ育った場所。「地元が好き過ぎるんで」とプロ12年、ほとんどのオフは、この場所でキャンプに備える。

 阪神からFA移籍した新天地で活躍するため、スイッチ打者らしく右でも左でも打ち込んだ。でも真骨頂は守備。軽快なグラブさばきで約40分間、二塁と遊撃の両方でノックを受けた。今は開く幅が違うグラブを2つ用意している。試しながら「なじんだ方を試合で使う」と慎重に相棒を選ぶ。ラミレス監督からは、序盤は二塁での起用を明言。倉本との二遊間に「1番は(倉本と)一緒にノックを受けること。1週間もあれば、どういう選手か分かると思う」。言葉は交わさなくても、グラブを交わせば薩長同盟のようなコンビを築ける。

 その先に新たな夢がある。「外野手で(ゴールデングラブを)とったけど、もともと内野手。1回でいいので取りたい」。内外野での受賞はDeNA高田繁GMただ1人。ライバルには広島の名手・菊池がいる。「1年出て普通にやればいい勝負できると思う。あっち(菊池)がうまいのは分かっている。1つでもエラーを減らせられれば、周りの見方が変わってくると思う」。常識を覆し、新たな時代の扉をこじ開ける。【栗田成芳】