世界最高峰の宝刀をゲット! 復活を期す阪神藤浪晋太郎投手(23)が23日、今年初めて鳴尾浜球場で自主トレに励んだ。年明けから米国テキサス州でダルビッシュらと自身初の海外自主トレを行い、前日22日に帰国。練習地が同じだったメジャー144勝左腕、ドジャースのクレイトン・カーショー(29)から、落差の激しい伝説のカーブのコツを教わったことを明かした。

 「今までにやったことがない感覚。しっかり投げられれば、彼ほどのカーブになるかと言われれば絶対に無理ですけど、いい感じには投げられると思う。カーブ自体が良くなるというよりは、真っすぐの感覚にいいモノが出てくるかなと」

 カーブは以前から持ち球ではあったが、主戦球は直球にカットボール、スライダー、ツーシーム、フォーク。ここに「カーショーカーブ」が加われば、緩急の幅が広がる。カーブを練習することで腕の振りに好影響が出れば、完全復活に近づける。

 テキサスで1度ブルペン入りし、この日もブルペンで捕手を座らせ33球。カーブなどの変化球を交えた後は、ポール間ダッシュを続けた。体幹トレなどでいじめ抜いた肉体は1年前の体重97キロから100キロ超に。心身ともに調整は順調そのものだ。

 再び先発ローテの座を奪い返す必要がある18年。首脳陣は沖縄キャンプ初実戦となる2月7日紅白戦での登板も視野に入れているが、「そのために、ちょっと早めに(米国自主トレを)切り上げてきました」ときっぱり。逆襲へ、土台は整いつつある。【佐井陽介】

 ◆カーショーのカーブ 直球と同じ腕の振りから投じられ、大きな落差を誇る。手から離れたボールは1度浮かぶような軌道を描き、打者の手元で急激に曲がりながら沈んでいく。ドロップカーブに近い。球速は70マイル(約113キロ)から75マイル(約120キロ)が主で、空振りを奪える。ドジャース時代にキャッチボール相手だった黒田博樹氏は「すごい高さから落ちてくる。(自分には)無理だと思う」と語っている。