野村克也氏(82)の妻で、昨年12月8日に死去した野村沙知代さん(享年85)のお別れの会が25日、都内で行われた。

 祭壇には笑顔の写真ととともに、生前に愛用したという10着の色とりどりの衣装が飾られていた。

 会の最後には、野村氏がマイクを持ってあいさつした。

 「まさかと思っていましたが、去年ぐらいに、半分冗談、本気半分で俺より先に逝くなよと言っていたんですが、先に逝かれてしまいました。元気だったものですから、家の食堂で座ってテレビを見ていたんです。私も隣の部屋でテレビを見ていましたら、うちのお手伝いさんが、ちょっと奥さんがおかしいと言って飛んできまして。そしたら食堂のテーブルに頭をつけて、動かないんですね。背中をたたいて『おい大丈夫か』って言ったら、その時にたったひと言『大丈夫よ』って、強気の言葉が返ってきて、それが最期になりました。すぐ救急車を呼んで病院に運んだんですが、その時はすでに息はありませんでした。死因は詳しいことは分かりませんが、急性心不全ということなんですけど、心臓まひですね。そんなことであっさりと予期せぬ最期を迎えてしまいました。元気でいる時は感じなかったことが、いなくなると本当に不便で、あらためて女房の存在を知らされたわけですけど。今日お集まりの皆さんは大変お世話になってということで、幸せな人生だったと思います」。

 喪主は克也氏が務め、ソフトバンク王貞治会長や江本孟紀氏らが発起人になった。