阪神は11日、DeNAをかりゆしホテルズボールパーク宜野座に迎え練習試合が行われた。

 糸原が「コサリオ」襲名!! 阪神糸原が遊撃レギュラー争いで強烈な先制パンチだ。3点リードの4回1死。DeNA平田が投げた甘い速球を見逃さず、豪快に振り抜くと瞬く間に右中間席に吸い込まれた。

 身長175センチ、78キロと小柄だが、持ち味を発揮。金本監督から打撃練習中「コサリオ!!」と呼びかけられた。いまをときめく大砲ロサリオになぞらえ、チーム屈指の怪力をたたえた“褒め言葉”だ。指揮官は「糸原はもともと去年から当たりも強いし、今年さらにまたパワーアップしとるわね。体も一回り大きくなって、コサリオだから」と目尻を下げて高評価した。

 この日、3安打の糸原も「いい形で打てた。監督に言われた、下半身の使い方が去年と比べていい。練習でいい感じですが、試合でもいい形で打てた」とうなずいた。持ち味はスイングの速さだ。指揮官は2月上旬、三浦大輔氏(日刊スポーツ評論家)との対談で「バットの出足の速さはチーム2位。実は糸井の次。もう少し、下半身をうまく使えるようになったら長打も出るかもしれない」と明かしていた。指揮官の発言を裏づける完璧ショットだ。

 遊撃争いは西岡、植田、北條ら宿敵がひしめくが、まずは幸先よく1歩前進。金本監督も「もともと実戦向きやし、あとは調子のいい時期をどれだけ維持できるか」と話す。新たなあだ名に糸原は「豆タンク、コサリオ…。いじられてるんです」と苦笑いしつつ「争いは激しいけど自分の持ち味を出して、自分のアピールをするだけ」と気合。ありったけのパワーを白球にぶつける。【酒井俊作】