宮城・仙台育英出身の阪神ドラフト3位、熊谷敬宥(たかひろ)内野手(22=立大)が12日、沖縄・宜野座1軍キャンプで行われた紅白戦で「8番二塁」で先発し、2打数無安打に終わった。プロ入り後に本来の右打ちから両打ちに転向。5回の第2打席は右腕石崎に対して左に立ち、134キロの直球に詰まって二ゴロに倒れた。紅白戦5打席でいまだ無安打のままだ。

 熊谷 甘い球を1球で仕留められてない。そういった部分ではまだまだ。球に押されているし、自分の力のなさを感じる。

 端正な顔つきに似合わぬ、鉄の意志を持ち合わせていた。待望の“プロ初安打”を逃す形になっても「今年はスイッチでやり通します」と1度決めたことは翻さない。居残りのティー打撃などで左打ちの経験値を積んでいる状況だ。守備では初の二塁に入り、6度の守備機会を無難にこなした。二遊間をこなせる鉄壁の守りと50メートル5秒8の快足を持ち味にしているが「キャンプを通しても、守備と走塁でプロの世界で劣っている部分がある。走攻守でもっとレベルアップしたい」と意気込む。

 オフは仙台育英で同期のドラフト1位馬場皐輔投手(22=仙台大)と行動を共にすることが多い。「一緒にダラダラしたりします(笑い)」。後輩にも負けてられない。楽天ドラフト6位の西巻賢二内野手(18=仙台育英)は高校の4学年下に当たり、入団年が一緒だ。高卒ながら高い守備力と意外性のある打撃力で、2次キャンプも1軍に残留した。「リーグが違うので意識はしないけど、頑張っているので刺激にはなる」。課題の打撃を向上させれば、開幕1軍が見えてくる。「すべては結果。結果にこだわってやりたい」。阪神一のイケメンが、声高に宣言。まずは打たないと、始まらない。【高橋洋平】