期待の左腕が、新たな武器を手に入れた。3月の侍ジャパンメンバーに内定している日本ハム堀瑞輝投手(19)が18日、阪神との練習試合(宜野座)で躍動した。6回から3番手で登板。最初のイニングに3者連続三振を奪うなど、2回1安打無失点4奪三振と結果を残した。「思っている球じゃなかったんですけど、真っすぐで押せた」と、ストレート中心の投球の中でアクセントとなったのがカットボールだ。

 昨秋、母校・広島新庄の先輩にあたる巨人田口から伝授された。きっかけはスライダーの矯正。昨季終盤から「思うような軌道がいかなくなっていた」という得意球を復活させる方法としてカットボールを勧められた。オフに投げ続けるとカットボール自体の精度が向上。「なんとなく使えそうな感じになった」と、思わぬ副産物を手に入れた。

 この日は最速147キロの直球に、120キロ台のスライダーより速い130キロ台の新球を織り交ぜた。バッテリーを組んだ清水から「いい感じの球が来たし、有利なカウントで使える球」と評され手応えを深めた。

 試合前には、もう1人の同郷の先輩から気合を注入されていた。球場内のマッサージ室で、自身と同じ広島出身の中田から「フォアボールを出したら、承知せんぞ」とハッパを掛けられたという。前回、米アリゾナでの登板時には2回1四球。この日は四球ゼロで指令に応えた。栗山監督も「後ろの方(中継ぎ)は出来るから、去年(チームが)あれだけ苦しんだ先発をやりましょうということ」と、まずは先発として調整を続けさせていく見通し。2年目の飛躍へ幅を広げた。【木下大輔】