またまた開幕中堅争いでダークホース登場だ。阪神伊藤隼が意地の2安打で評価を急上昇させた。2軍キャンプスタートで前日12日に1軍昇格したばかり。まずは10点ビハインドの6回無死一、二塁、右前にはじき返す。6点を追う7回1死一塁では右前に運ぶ。8回の凡打も痛烈な二直。「下でやってきた『超積極的』というテーマで。代打が多かった去年も、初球から振っていくことがスタイルだと思っていた」。試合後は謙虚に言葉を並べたが、株を一気に上げた。

 この日は伊藤隼と同じタイミングで1軍昇格した荒木も途中出場で2安打。移籍1年目の山崎も1安打でオープン戦打率5割キープだ。指揮官は試合後ミーティングで2軍キャンプ組を褒めたたえたことを明かし、「下から来た選手がよくアピールしてくれている。チャンスは十分ある。どんどんアピールして結果を残してくれたら、十分ありますよ」と力を込めた。

 伊藤隼はオフから、代打の立場に甘んじず外野レギュラー奪取を狙うことを公言してきた。「結果も内容も求めていきたい」と鼻息荒い。30日開幕巨人戦の相手先発は右腕菅野。まだ中谷、高山が開幕中堅に確定ランプをともせない中、ソフトバンク・サファテから1発を放った緒方に続き、隼太も大穴に名乗りをあげた。【佐井陽介】