こちらも豪快すぎる1発回答!! 阪神糸井嘉男外野手(36)が待望の今季初アーチをかっ飛ばしました。中日戦の1回2死走者なし。小笠原の初球、外角直球をはじき返すと痛烈な弾道で左中間最深部まで運びました。観衆も口あんぐりの飛距離…。今季の実戦3試合目で18年初安打が、虎党も胸ワクワクのビッグアーチ。金本監督も「狙い打ち」を勧め、完璧なショットでした!

 超人糸井の怪力は1球あれば分かる。一瞬、ナゴヤドームの時間が止まった。プレーボール直後の1回2死走者なし。左腕の小笠原が投じた初球139キロ速球は外角へ。バチンッ!! 強振すると、打球はグングン伸びる。左中間を舞う。失速しない。そのまま客席の最前列へと突き刺さった。驚きの弾道に誰もがあぜんとするしかなかった。

 今季初実戦は13日ヤクルト戦(甲子園)だ。まだ4打席だけ。実戦感覚を研ぐ段階だが、それでも、今季初安打が驚異のビッグアーチになった。狙いすまして打った一撃だろう。糸井は表情ひとつ変えずに「しっかり振れたと思います」と話したきり、バスへと消えたが、金本監督が明かす。

 「カウントが若いときは『どっちかな…ストレートかなあ、変化球かなあ』と迷っているふうがあるからね。球種なり、コースなりを決めて、決め打ちくらいでいい。(狙いが)外れてもタイミング合えば打つ、というくらいがベストだと思う。彼の長打力がどんどん出てくると思う」

 迷いのない初球打ちでアーチを懸けた。3回は2球目の緩いチェンジアップを強振し、右翼フェンスにライナーで直撃する二塁打。充実の2打数2安打でお役御免だ。昨年は右膝を痛めて2月のキャンプも別メニュー。シーズンに間に合わせるのに必死だった。今年は違う。着実に前進し、金本監督は糸井と打席での心構えについて、何度も話したという。昨季は打率2割9分、17本塁打だが、金本監督はさらなるスケールアップを望んでいる。

 「両方を求めたい。打率と長打と。(直球と変化球を)どうかなと迷っているなかで、常に両方にタイミングを合わせている感じがあって、結局、差し込まれるのはもったいない。あのパワーを生かさないと」

 ヤマ張りが鮮やかにハマれば、チームの得点力アップに直結する。13日は5番だったが、出場2戦連続で3番に座った。金本監督は言う。「彼の長打力次第ですよね。クリーンアップを打たせたい。もう少し、様子を見ます」。自主トレ時にテーマを「浜風に負けない」とし、ビルドアップしてきた糸井。甲子園の浜風に屈しないパワーを見せれば中軸が決定的だ。移籍2年目の初アーチは、チームにとって何よりの朗報だった。【酒井俊作】