楽天本拠地の「パーク化」構想に新機軸が登場した。楽天生命パークで13日、日本球界初となるロンドンバスがお披露目された。

 英国で1983年に製造された2階建てバスで、09年からロンドンで市内観光バスとして活躍。はるばる海を渡り、10日ほど前に来日した。今後はアトラクション、飲食スペースなど、多目的バスとしての使用が検討されている。

 大観覧車の横で、赤を基調とした本物のロンドンバスがゆっくり敷地内を一周した。屋根のない2階から風景を楽しみ、運転席にも座った立花陽三球団社長(47)は、新たなファンサービスの可能性も口にした。「車検が取れたら、パーティー後に球場に来てもらうとか、(試合後に)家に送るとかも、やってみたい。将来的には1階をレストランにしたりも、考えていきたい」。公道での送迎、貸し切っての宴会プランなどの活用方法も考えていくという。

 座席数は92。高さは3・8メートルあり、2階席からはグラウンドを見下ろせる。体験試乗したオコエ瑠偉外野手(20)は「(見た目は)2階建てが、ロンドンという感じ。開放感がMAXでした。自分の駐車場には置けなさそうですが」と、笑顔で本場のムードを体感した。名門ハーバード大出身のフランク・ハーマン投手(33)は、大学があった米ボストンで2階建てバスを見たことがあり、「ビートルズみたいな雰囲気。ジョン(レノン)とポール(マッカートニー)になった気分だよ」と乗り心地に満足した。15日まで、同球場内にあるスマイルグリコパークを訪れた観客には、無料で試乗できる(運行はなし)。【中島正好】