東京6大学野球の春季リーグの法大-立大戦の解説を行った元ドジャーススカウトの小島圭市氏(49)が、9回1失点の完投で3勝目を挙げた立大・田中誠也投手(3年=大阪桐蔭)の好投の理由を解説した。

 1つ目のポイントに間の良さを挙げた。

 小島氏 間がすごくいいですし、バッターを見ながら投げていたように思います。

 2つ目は、初球のストライク率だった。

 小島氏 ストライク先行で、どんどん攻めていく投球でした。野球のセオリーですが、初球にストライクを取ると被打率が下がる。意識したかはわかりませんが、田中君はそれができていたと思います。

 小島氏が田中誠の他に着目したのは、法大・三浦銀二投手(1年=福岡大大濠)だった。「ボールはキレていました。まだ1年生ですから、無我夢中で攻めていた印象ですが、しっかりストライクも取れていた。それも能力の1つ。(将来的にも)面白い投手だと思います」と期待した。

 打者では、立大・三井健右外野手(2年=大阪桐蔭)を挙げた。この日は2打数無安打2四球で、4試合連続本塁打はならなかったが、能力の高さを絶賛した。「素晴らしいスイング。『ただ振れる』のではなく、自分の形でしっかり振れる選手。(再来年の)ドラフト上位候補でしょう」と話した。

 ◆小島圭市(こじま・けいいち)1968年(昭43)7月1日、神奈川・川崎市生まれ。東海大高輪台から86年に投手として、ドラフト外で巨人に入団。92年に3勝を挙げた。94年に巨人を退団し、96年に大リーグ・レンジャーズのテストに合格。97年はレンジャーズ傘下のマイナーでプレーした。98年は中日、99年は台湾・興農ブルズでプレーし、現役を引退した。00年からドジャースでスカウトを務め、黒田博樹らを担当。13年にドジャースを退団した。今年から「AbemaTV」で東京6大学野球リーグの解説を担当する。