広島安部友裕内野手(28)が巻き返しを誓った。8日のDeNA戦(マツダスタジアム)は開始予定時刻を過ぎてから雨天中止に。打撃不振の安部は、発表されていたスタメンから外れたことを「悔しさしかない」と受け止めた。昨季は首位打者も争った三塁のレギュラー格は、5月の月間打率が1割など、打率2割1分2厘に低迷。ここから、はい上がる。
予定の試合開始時刻を過ぎても雨脚は衰えず、午後6時40分に中止が決まった。発表済みだった広島の先発オーダーの中で、三塁に名前があったのは庄司。ベンチスタートするはずだった安部は、首脳陣の決定を厳しい顔で受け止めた。
「悔しさしかない。でも自分の打ててない結果で、そういうことになっているので…。自分が監督でも、そうすると思う」
ここ10試合は41打数5安打の打率1割2分2厘と不振に陥っている。連戦だったゴールデンウイークも主に5番や6番でポイントゲッターの役割を期待されたが、同期間8試合で2打点のみ。今季トータルでの得点圏打率も1割8分9厘にとどまっている。昨年のこの時期は、3割8分前後の高打率を残していた。
打てない原因は分かっているだけに、もどかしさが募る。「タイミングが取れていない。打ちたい、打ちたいと焦りも出てしまっている」。開幕直前に新井が抜け、丸も4月末に故障離脱。それでも田中、菊池、鈴木、バティスタらの奮闘によって得点力を保ち、首位を走っている。一方で安部は「もちろん自分もという気持ちはある」と責任を痛感している。
ここまで32試合中29試合に先発してきた。今季初対戦の予定だったDeNA浜口には、昨年4打数2安打の実績があった。にもかかわらず、この日は4度目の“スタメン落ち”。緒方監督によるカンフル剤の意味合いも含まれていたのかもしれない。「浜口を打ってるけど外されたというのは、本人も感じていることだろう」と迎打撃コーチ。東出打撃コーチも「調子を上げてもらわないといけない選手」と奮起を促した。
今日9日に美間が1軍復帰する見込みで、安部はスタメンを譲る可能性が高い。ただ、トンネルに長くとどまるつもりはない。「打撃は引きずったらいけない。打てない中でも走塁、守備とやることはある」と切り替えを強調した。中止は残念だが、リフレッシュになればいい。【大池和幸】