ヤクルトがコスパ抜群の“勝利の方程式”で2年ぶりの5連勝を飾った。

 先発小川の粘投を受け、2-2の7回から2番手中尾が1回1/3を無失点。3番手近藤が8回1死二塁のピンチを切り抜けると、4連投中だった守護神石山の代わりに9回もマウンドへ。2死三塁の瀬戸際で楽天田中を空振り三振に仕留めるとこぶしを突き上げ、ほえた。16年8月28日以来の5連勝で、交流戦も単独2位に浮上。小川監督は「投手陣がよく踏ん張ってくれて結果も出ている。内容も結果もいいし素晴らしいゲームだった」と賛辞を惜しまなかった。

 5連勝の立役者は球界最安値の“リリーフ3人衆”だ。中尾と近藤は今季半分の25試合に投げ、5月から抑えとなった石山は2日まで4連投で4連続セーブを挙げた。獅子奮迅の3人だが年俸総額は推定7920万円と12球団の勝利の方程式で最安価格。田畑投手コーチは「ハングリーだし競争意識も強い」と目を見張る。

 96敗を喫した去年の屈辱が、コストパフォーマンスをさらに上げる。中尾は1年目の昨季は2戦1敗で「去年は悔しい思いしかしていないので弱気な投球をしないようにしっかり腕を振るだけ」。今季は力強い直球を武器に強気を貫き、ブキャナンに並ぶチームトップの5勝目。「先発の方に申し訳ないです。地方大(名古屋経大)でスカウトの方も少ない中でプロに入れたので運は強いのかな」と謙遜したが、チームに必要不可欠な左のセットアッパーへと進化を遂げている。

 近藤は「呼ばれればどこでも投げる気持ちはある」というおとこ気右腕。何事にも全力な姿勢で若い投手陣を背中で引っ張る。石山は「みんな自分のできることをしっかりやっています」と投手主将らしく総意を代弁。ブルペン担当の石井弘投手コーチは「いいまとまりで投げてくれている」と、うなずいた。互いに刺激しあいながら商品価値を高める“お値段以上”の投手陣が、ファンにもっと笑顔を届ける。【浜本卓也】

 ◆ヤクルトの勝ちパターン 開幕時は新外国人のカラシティーを抑えにしていたが、4試合連続失点を喫するなど起用に応えられなかった。セットアッパーだった石山が5月から抑えに定着。近藤、中尾が勝ちパターンで登板している。他球団の抑えが年俸1億円超えの中、石山は4800万円で、近藤、中尾と合わせても8000万円に満たない。他球団ではロッテ内も年俸1億円以下だが、勝ちパターンには松永(6000万円)がいるので、現在のヤクルトが「最も安い」勝ちパターンとなっている。(年俸はすべて推定)