三度目の正直でチーム4連勝だ! 先発転向3戦目のロッテ有吉優樹投手(27)が7回1/3を無失点と好投、今季初勝利を挙げた。過去2戦は惜しくも白星がつかない登板が続いていたが、課題だった制球力も安定。中日打線を封じ込め、清田のソロによる1点を守った。チームの借金は1。ロッテが混パを演出する。

 1カ月前まで中継ぎだったロッテ有吉が、8回のマウンドに立った。先発で、だ。7回まで92球。中日打線をたった2安打に抑えていた。井口監督は試合後「1回引っ張っちゃいました」と言った。予定の7回を終えても続投させたいと思わせる快投。先頭を出し、犠打で1死二塁とされて交代したが、先発初勝利はそれほどに安定していた。

 5月23日の初先発から“解禁”したカーブが生きた。長く投げるにあたり球威より緩急を重視。カーブを増やし、カウントを整え、直球で圧倒した。4回1死一、二塁は1球で二ゴロ併殺に。ピンチの芽をつみ「一から試合をつくるのは大変だけどすごくうれしい。僕で連勝を止めなくて良かった」。ヒーローは安堵(あんど)した。

 励みが2つあった。1つは同志の存在。5月後半から、先発ローテには同じく中継ぎから転向した同期入団の土肥がいる。新人渡辺を加えた先発未勝利トリオはここまで8試合、白星に恵まれなかった。最年長だが「年齢は関係ない。僕は転向して間もないし教えてもらうこともある。3人とも、もうひと踏ん張り」。

 そして踏ん張りきれたのは、あの激励があったから。4月28日、広島ファンで知られるお笑いタレント有吉弘行が「同姓という特殊事情でロッテの有吉投手も応援しています」とツイート。「頑張って投げます」と返した。ゲームセットから9分後、新たな投稿が。

 「ロッテ有吉投手!おめでとうございます!! 同姓会万歳!!」

 また、見てくれていた。

 井口監督も「有吉が自分でつかみ取った1勝。丁寧に低めに。見本のような投球だった」と絶賛。借金完済まであと1に迫った。

 立役者は、昨季中継ぎで挙げた2勝との違いを問われ「1勝(いっしょう)は1勝なんで、一緒(いっしょ)です」と答えた。同姓会は笑いのセンスまで磨かれるのか…。うならせたところで「あ。ダジャレじゃないですよ」と付け足した。良い笑顔です。【鎌田良美】